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ふれいざー 経済生活 第三話

永遠の資産、金の話 その2 (2012年3月号)

世界の金の保有量は16万トンと言われている。量にするとオリンピックプール3杯分程度となり、金額に換算すると、約640兆円(1g=4,000円換算)となる。

日本国の借金1000兆円であるから、世界にはそれよりも少ない金資源しか存在していないことになる。

16万トンの内訳は、宝飾品:8万4千t、民間投資用:3万t、公的保有:2万9千t、となっており、宝飾品が全体の約半分を占めている。

金の埋蔵量は残り7万6千tと言われており、現在のペースで掘れば、約25年で掘りつくされる計算だ。

国家・中央銀行などの準備金、公的保有量は、約2万9千t。特にアメリカの保有量は9千tと全体の30%を占め、群を抜いている。

今、欧州債務危機に抜本的な解決が見いだせない状況の中で、今後の金価格はどうなるのだろうか?

米ドルの世界覇権の対抗馬として欧州勢が団結、ドルに替わるべくユーロは、1999年華々しいデビューを飾った。産油国もユーロでの決済を要求するほど一時は強勢を誇ったが、10年経った今、ユーロは存亡の危機に瀕している。ずっと戦争を繰り返していた国々が仲良く、同じ通貨を使うことで領域内経済力も活性化されたが、経済格差のある国まで次々入りだし、身分不相応の共通通貨を持つにいたりほころびが出だした。結局、ユーロはユートピアだったのか。

欧州債務危機でユーロは売られるばかり。円は今は買われているが、長期的には災害と高齢化、国家財政破綻で暴落するかもしれない。スイスフランは高くなりすぎ、ユーロにペッグしてしまった。世界には安心して買える通貨がなくなった。余りにも巨額なお札が乱発されたため、紙幣の価値が下がり、リスクヘッジとして金が買われている。

ドルの信用度は高いとはいえないが、ユーロからドルへの資金移動が顕著だ。欧州から資金が米ドル、米国債に向かい、金、銀の現物資産にシフトする。金は唯一の将来のインフレヘッジとみなされ今後も上昇が予想される。

金本位制がくずれて40年、経済が行きづまればお金を印刷、すなわち、財政赤字が増大する。お札が垂れ流された結果、より高いリターンを求めて世界中をかけめぐり、あちこちでブーム/バストを引き起こす。行き場のないお金が金、銀に向かうという構図だ。

米国は唯一の世界の基軸通貨としてドルの増刷を続ける。ドルにかわる通貨がないので、ドルの地位は揺るぎない。ユーロにはそれを支える強大な国家権力がない。金5千年の歴史、米にはドル200年の歴史と世界一の軍事力がある。その上、旧共産圏、中東もドル体制に組み込まれた。これも米が冷戦に勝利した産物といえるのか。米は財政、貿易の赤字を垂れ流したが、その結果としてドルが世界に流出し、新興国、特に中国の経済成長を助けた。

欧州の不透明感が続く限り、ドルやユーロが売られ、破綻懸念とは無縁な金に資金が流れ込む動きが続くだろう。今後、更に上値を追い、2200ドルを付ける可能性もあると予想される。

最大の金消費国である中国やインドは高インフレに悩まされており、資金が金に流れやすい状況が続く。新興国が外貨準備として年間500トン前後の金を購入しており、これが金価格の長期上昇トレンドを支える要因だ。

去年8月、中国が2.8兆円規模の米国債を売り越した。米ドルを売って何を買うのか。今まではユーロにシフトしていたが、欧州危機で円と金への分散運用を強めている。外貨準備としての金保有量は、2000年には400トンであったが現在は1200トンと3倍に増加。インド、中国の2カ国で年間金生産量2800トンの6割の買い占めだ。

金は短期的には乱高下を繰り返すが、長期的には右肩上がりのトレンドが続くと見られる。高値になると欧米の投資家が売りを出し、アジアの実需が押し目で買いを入れるというパターンだ。

数年後には日本の債務危機が世界の金価格を左右する時代が来るかもしれない。円の暴落には金保有は有効なリスクヘッジだと考えられる。

金は世界中どこでも売れ、ドルなどの通貨に替えられる。「世界に通用するおカネ」として普遍的な価値を持っており、株式、債券は“紙くず同然”になる得るリスクがあるが、金の価値がゼロになることはない。逆に永遠の輝きが増す安全資産というのが最大の魅力だ。

金投資のポイントは短期的には金のETF購入、長期的には金現物保有か金、資源物の投資信託での資産運用がお勧めといえる。

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fraser_mar2012

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