ゆとりある、バラ色の老後に向け、老後資金を今から準備2

今はまだ、超低金利ですが、来年ぐらいから、金利が少しづつ上がり出しそうです。日本は長期のデフレから、やっと脱却し、2%のインフレを目指しています。カナダは現在インフレ3%ぐらいです。 1976年にコーヒー一杯$0.25でしたが、今は$2です。10年前、ガソリン1L $0.75 でしたが、今、 $1.40です。インフレで今の資産価値がリタイア時には大幅に目減りします。40歳の人が、年に必要な生活費が今、$36,000いるとすると、インフレ調整後、65歳の時、$58,179必要です。従って、インフレ率を上回る運用益を上げるには定期預金の低金利物で運用していたのでは目標額は達成できません。若い世代ほど、成長性の高い株式の比率を高めた投資で積極的に運用したほうがいいです。
リタイアが視野に入った50代以降の世代は投資で損したら、取り戻す時間もないため、リスクの低い商品、元本保証型年金プランがお勧めです。
そして、個人年金型投資には銀行で資金を借りて、投資を始める、Investment Loanが人気です。これで、快適な老後資金を確保するために、モーゲッジのようにお金を銀行から低利で借りて、老後資金の投資目標金額を早く達成することができます。毎月、小額を積立貯金すると時間もかかり、あまり貯まりませんが、まとまった金額をばーんと一度に投資すると、大きな金額で投資が開始でき、複利運用効果で早くゴールが達成できます。また、ローンの利子が100%、税金控除できるメリットもあります。

さて、日本では老後資金はざっと1億円といわれていますが、これは公的年金、企業年金と退職金でだいたいまかなえます。カナダは退職金はなし、企業年金のある会社はほとんどなく、公的年金も日本よりはるかに少ないです。それで、カナダ政府も、上のInvestment Loanの利子も税金控除にし、自己責任での年金資金運用を奨励しています。
また、RRSPももちろん、税控除されます。ただ、RRSPは上限があるので、高額所得の方は税控除枠が限られているので、Investment Loanをして、更に税金控除している方も多いです。
世界で一番、年金制度がいいのが、日本です。私たちの親の世代は年金で優雅な生活をしている人が多いです。しかし、その日本の年金制度も破綻しかかっています。
カナダに住んでいらして、日本から年金をもらっていらっしゃる方もいるかと思います。日本は年金支給が65歳で、近い将来68歳に引き上げられるといわれています。
今、年金をもらっている人はかなり良いのですが、50歳以下の世代は年金がどうなるかわからないので、まったく頼れないというのが実情です。カナダも含め、先進国はどこも少子高齢化で年金基金が不足してきています。ですから、お金のある人や、ずっと働け稼ぐ能力のある人は生き残れるが、そうでない人たちはお先真っ暗です。
日本で、受給開始年齢が65歳に引き上げられた矢先に、68歳、70歳へのさらなる引き上げ案がでています。そうなれば、年金を納めたが、まったくもらうことなく、亡くなる人もでてきます。
日本では年金基金の積立金は年に約6兆円のペースで取り崩されています。
この調子でいけば、2033年に厚生年金の積立金が、2037年に国民年金の積立金が枯渇すると試算されています。
1940年代生まれの世代は払った保険料よりも受給した年金額が3千万円ぐらい多く、1955年から1960年生まれの世代はプラスマイナスゼロとなり、それ以後に生まれた人たちはもらう金額が下がっていきます。今生まれている子供たちは保険料を払うだけで、ほとんど受け取れない“納め損”になるという計算になります。よく言われる、”逆ピラミッド“で少数の現役世代が、多数の老後世代を支えなければならないので、現役世代の年金不信感が広がっています。払っても将来もらえないとなれば、年金を払わない若者が46%もいます。日本では、正社員になかなかなれず、フリーター、ニートで、年金保険料が払えない若者も多いのが実情です。
現状はなかなか、厳しいです。
ただ、いえるのは、これからは公的年金はあてにできないので、老後にいくら必要かを計算し、それに向け個人年金資金を早くから自己責任で準備した方がいいということです。そして、お金の心配をすることなくバラ色な老後をゆったり過ごしたいものですね。

追加として、カナダの株価の動きと家の価格の移り変わりの資料も入れました。
バンクーバーの不動産価格は過去10年間急上昇し、不動産で利益を上げられた方も多いです。下の表が示すようにバンクーバーの一戸建て住宅は1977年から 2011年までに 14倍になりました。それに比べ、同期比、カナダの株価、トロント株式TXS Index は 35倍に増えています。実際には、カナダの株投資での運用の方が、不動産投資での運用より、利回りが大きく、歴史的に株式での投資が一番、運用益が高いことを示しています。

(月刊ふれいざー2013年11月号掲載)

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