Dec 17

今はまだ、超低金利ですが、来年ぐらいから、金利が少しづつ上がり出しそうです。日本は長期のデフレから、やっと脱却し、2%のインフレを目指しています。カナダは現在インフレ3%ぐらいです。 1976年にコーヒー一杯$0.25でしたが、今は$2です。10年前、ガソリン1L $0.75 でしたが、今、 $1.40です。インフレで今の資産価値がリタイア時には大幅に目減りします。40歳の人が、年に必要な生活費が今、$36,000いるとすると、インフレ調整後、65歳の時、$58,179必要です。従って、インフレ率を上回る運用益を上げるには定期預金の低金利物で運用していたのでは目標額は達成できません。若い世代ほど、成長性の高い株式の比率を高めた投資で積極的に運用したほうがいいです。
リタイアが視野に入った50代以降の世代は投資で損したら、取り戻す時間もないため、リスクの低い商品、元本保証型年金プランがお勧めです。
そして、個人年金型投資には銀行で資金を借りて、投資を始める、Investment Loanが人気です。これで、快適な老後資金を確保するために、モーゲッジのようにお金を銀行から低利で借りて、老後資金の投資目標金額を早く達成することができます。毎月、小額を積立貯金すると時間もかかり、あまり貯まりませんが、まとまった金額をばーんと一度に投資すると、大きな金額で投資が開始でき、複利運用効果で早くゴールが達成できます。また、ローンの利子が100%、税金控除できるメリットもあります。

さて、日本では老後資金はざっと1億円といわれていますが、これは公的年金、企業年金と退職金でだいたいまかなえます。カナダは退職金はなし、企業年金のある会社はほとんどなく、公的年金も日本よりはるかに少ないです。それで、カナダ政府も、上のInvestment Loanの利子も税金控除にし、自己責任での年金資金運用を奨励しています。
また、RRSPももちろん、税控除されます。ただ、RRSPは上限があるので、高額所得の方は税控除枠が限られているので、Investment Loanをして、更に税金控除している方も多いです。
世界で一番、年金制度がいいのが、日本です。私たちの親の世代は年金で優雅な生活をしている人が多いです。しかし、その日本の年金制度も破綻しかかっています。
カナダに住んでいらして、日本から年金をもらっていらっしゃる方もいるかと思います。日本は年金支給が65歳で、近い将来68歳に引き上げられるといわれています。
今、年金をもらっている人はかなり良いのですが、50歳以下の世代は年金がどうなるかわからないので、まったく頼れないというのが実情です。カナダも含め、先進国はどこも少子高齢化で年金基金が不足してきています。ですから、お金のある人や、ずっと働け稼ぐ能力のある人は生き残れるが、そうでない人たちはお先真っ暗です。
日本で、受給開始年齢が65歳に引き上げられた矢先に、68歳、70歳へのさらなる引き上げ案がでています。そうなれば、年金を納めたが、まったくもらうことなく、亡くなる人もでてきます。
日本では年金基金の積立金は年に約6兆円のペースで取り崩されています。
この調子でいけば、2033年に厚生年金の積立金が、2037年に国民年金の積立金が枯渇すると試算されています。
1940年代生まれの世代は払った保険料よりも受給した年金額が3千万円ぐらい多く、1955年から1960年生まれの世代はプラスマイナスゼロとなり、それ以後に生まれた人たちはもらう金額が下がっていきます。今生まれている子供たちは保険料を払うだけで、ほとんど受け取れない“納め損”になるという計算になります。よく言われる、”逆ピラミッド“で少数の現役世代が、多数の老後世代を支えなければならないので、現役世代の年金不信感が広がっています。払っても将来もらえないとなれば、年金を払わない若者が46%もいます。日本では、正社員になかなかなれず、フリーター、ニートで、年金保険料が払えない若者も多いのが実情です。
現状はなかなか、厳しいです。
ただ、いえるのは、これからは公的年金はあてにできないので、老後にいくら必要かを計算し、それに向け個人年金資金を早くから自己責任で準備した方がいいということです。そして、お金の心配をすることなくバラ色な老後をゆったり過ごしたいものですね。

追加として、カナダの株価の動きと家の価格の移り変わりの資料も入れました。
バンクーバーの不動産価格は過去10年間急上昇し、不動産で利益を上げられた方も多いです。下の表が示すようにバンクーバーの一戸建て住宅は1977年から 2011年までに 14倍になりました。それに比べ、同期比、カナダの株価、トロント株式TXS Index は 35倍に増えています。実際には、カナダの株投資での運用の方が、不動産投資での運用より、利回りが大きく、歴史的に株式での投資が一番、運用益が高いことを示しています。

(月刊ふれいざー2013年11月号掲載)

Dec 9

日本のバブルよ、もう一度 その3 (2012年11月)

バブル、再来なるか?

日本のバブル崩壊から、20年余、“失われた20年”といわれ、日本経済への打撃ははかりしれなかった。こんなに長期の景気低迷に陥った先進国は日本だけで、バブルとバブル崩壊の格差があまりにも激しかったことから、経済学のテキストブックの格好の材料となった。
日本のバブル崩壊からの”失われた20年“の長期景気後退から這い上がれない様子をよく研究している中国は、日本を反面教師として、米がいくら切り上げを要求しても人民元をほとんど上げない。”プラザ合意”以降、米のいいなりになり、実態経済から乖離し、どんどん円高になり、長期に経済が衰退した日本の二の舞にされてなるものかと断固決意しているのだろう。
日本経済は20年余り、どの国も今まで経験したことのないような長期の景気低迷期に陥り、今に至っているが、なんと、最近少し、光明も見えてきた。
1985年のバブル経済への前夜と2012年の日本の経済状況は酷似しているといわれている。
2012年がバブル再来への夜明けの年となるかもしれない。
その理由は、今年に入って、日本株への外人の買い越しが続いていることだ。本格的な株高、不動産価格の上向き傾向は約20年ぶりだ。これらの資産効果は、日本に巨額の富をもたらし、景況観を抜本的に変える可能性がある。これは、バブル崩壊以来の歴史的な転換点を意味し、日本人の今までの景況感を変えるほどのインパクトがある。今後10年間ぐらい、上昇局面が続く前兆かもしれない。
背景にあるのは世界的な金融緩和だ。1月にFRB(米連邦準備制度理事会)が2014年までゼロ金利政策の継続を表明。各国が通貨供給量を増やしたことによるカネ余り現象で、最も割安に放置されてきた日本株に資金が流入している。
2008年のリーマンショック以降、各国が景気刺激策と称して、大量の紙幣を印刷しお金をばらまいた。市場のカネ余り現象を受け、日本企業を取り巻く環境は大きく変わってきた。
1985年は高度成長期を過ぎ、日本は不況、デフレ、低成長の時代に入ったと思われていた。更に1985年のプラザ合意で為替レートが1ドル=240円から、翌年、120円に急上昇、急激な円高になり、円高不況になった。実はその時から、バブル期への変動が静かに始まっていたのだ。その頃、バブル3銘柄と呼ばれる銀行、証券、不動産株がまず、上昇に転じた。そして、今年も年初から、この3つの銘柄が先行して上げてきた。
日本経済、“失われた20年”のデフレを脱却して、そろそろ、インフレへとトレンドが変わるかどうかが注目される。2014年ぐらいまで、低金利局面が続くが、その後、金利は徐々に上昇していき、通貨供給量も増え、割安な株式に資金が回帰し、景気は良くなると予測されている。
今のような超低金利では、みんな、財布のひもをしめ、お金が回っていかないので、デフレがちっともよくならず、悪循環が続く。しかし、インフレ傾向となり、金利上昇で、利子も増えれば、心理的にもお金を使い出すだろう。
将来、世界的に石油も枯渇していき、世界的な人口増で、食料、水も足りなくなり、それらの価格が急上昇し、資源、領土紛争も増すと予測される。世界は通貨供給量を増やし続け、いずれはハイパーインフーションになるだろう。
日本(1,000兆円)、米(1,400兆円)、共に膨大な借金を抱えている。ここまで、財政赤字が大きくなったら、こんな巨額の借金を返済することは不可能なので、財政破綻するか、紙幣を印刷してハイパーインフレにし、借金を踏み倒す胸算用だ。米ドルは世界の基軸通貨なので、お札を印刷すればいい。今年をバネに今後2-3年で、インフレ気味となり、景気は活気づいてくると見られる。今は日本の実態にそぐわない円高だが、いづれ、円安が進み、円、国債が暴落して、紙くず同然になる可能性さえあるといわれている。小子高齢化で人口は減るが、移民も受け入れない日本はこれからどうなるか。将来に備え、今から、米ドル、カナダドル、豪ドル、英ポンド、スイスフラン等の先進国通貨の資産に分散投資してリスクをヘッジするべきだと思われる。